※ 所沢での西武の日常会話とか、そんな感じ ※
#1:昼の所沢駅(池袋&新宿)
「おー、お疲れ池袋~」
ホームにその姿を見つけ、新宿は手を振る
「新宿か」
池袋も軽く手を振り返し、駆け寄る姿を見る
「今日はどーよ?」
「問題ない。 営団もちゃんと動いてるしな」
「乗り入れしてるところは大変だな
オレ、他人に振り回される生活なんてまっぴらごめん」
新宿がややオーバーに降参というように両手を振ると、池袋は溜息をつく
「お前も営団との乗り入れの話が出てただろう…?」
「あぁ、東西?
無理無理、あんな超虚弱体質、オレの足引っ張るだけだもん、ぜってーヤダ」
強風で遅延なんてありえねぇよと新宿が笑う
「本人の前で言うなよ・・・」
あまりにあけすけな物言いに頭痛を感じつつ、一応、釘をさしておく
彼に対して、効果があるとは思えなかったが・・・
「あと、その喋り方はどうにかならないのか?」
「話し方~?」
「最近、言葉の乱れが激しいぞ。西武の品格に関わる」
新宿は少し考えるように、長い前髪をいじると、不意に姿勢を正した
「大変失礼を致しました
今後、西武のために粉骨砕身の思いで一途改善に努めたいと思います」
キチリと敬礼まで決めて放たれた言葉に、池袋の眉間に皺が寄る
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・気持ち悪いな」
「気持ち悪いは言いすぎだ」
でも、やっぱいつも通りが一番だろ、と新宿がケタケタと笑った
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#2.夕方のSEIYU(拝島&西武有楽町)
「これはどうですか?」
山積みになった人参の中から1本を取り上げ、西武有楽町が問いかける
「うん、良いと思うよ。じゃあ、同じようなのを、3本くらい探してくれる?」
「はい!」
拝島の指示に、西武有楽町は嬉々として人参の山に手を伸ばす
「んー・・・、ピーマンは新宿が食べないんだよね・・・」
その隣の山で、拝島はピーマンを手に取り首を傾げた
「好き嫌いは駄目だと、池袋が言っていました」
「本当…いい年して、ピーマンが嫌いだなんてね」
二人でクスクスと笑うと、手にしたピーマンをビニール袋に入れる
「よし、今日は食べさせよう」
「今日の夕飯はなんですか?」
見繕った人参をつめたビニールを拝島に渡し、幼い笑顔が尋ねる
「野菜をいっぱい入れたチキンライスに、とろとろの卵焼きをのせて、
ケチャップをかける食べ物と言えば?」
「オムライス!」
「大正解」
拝島が頭をなでてやると、西武有楽町はすでに食事を目の前にしたかのように眼をきらめかせる
「わたし、拝島が作るオムライスが大好きです!」
「じゃあ、腕によりをかけて作らなきゃね」
子供の視線に拝島も穏やかに笑う
「さて、あとは肉を買って、早く帰ろう」
「はい!お腹がすきました!」
無邪気な西武有楽町に手を引かれ、拝島は小走りで精肉売り場へと向かった
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#3.夜の西武百貨店(国分寺&西武秩父)
「国分寺~、なぁにしてんの?」
「ぐっ」
西武百貨店への入口前で不意に背後から首を捕まえられ、国分寺はうめき声を上げた
「ちっ、秩父…!」
あからさまに動揺した国分寺の姿に、西武秩父がニヤニヤと笑う
「仕事帰り?」
「あ、あぁ…」
「もう買い物も終わった感じ?」
「…そうだ」
「何買ったの?」
国分寺は思わず逃げようかとも思ったが、自分より体格のいい西武秩父に敵うとは思えないし、そもそも帰る先は同じなのである
「・・・・・・酒だよ、酒」
観念して、手にした袋を西武秩父へ見せる
「おっ! 天覧山の喜八郎だッ!」
銘柄を見ると西武秩父の眼がキラリと光った
「コソコソ買ってたところを見ると…、独り占めする気だったな?」
意地悪く問いかける声に、国分寺はガックリと肩を落とした
「一番、見つかりたくないヤツに見つかった…」
「まぁまぁ、他の連中には黙っとくからさ、今晩は二人で飲み明かそうぜ」
そう言うと、西武秩父は国分寺の手から酒の入った袋をひったくり、先に歩き始める
「つまみは、秩鉄から貰ったしいたけでイイよな?
しょうゆで焼くと旨いんだ
あぁ、あとは昨日の切干大根がたぶん残ってるな」
鼻歌でも歌いだしそうなほど浮かれている西武秩父を見て、もうひとつだけ溜息をついて、国分寺は諦めたように笑った
結局、一人で飲むより、誰かと一緒に飲む酒の方が美味いのだ
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桐生の西武妄想を詰め込んでみた
池袋&新宿は、それぞれの本線同士、仕事においては絶対の信頼を寄せていますが、
生活においては、姉(?!)と弟みたいな関係
拝島&西武有楽町は、ほのぼの家族。ママ(?!)と可愛い子供みたいな関係
国分寺&西武秩父は、高校時代の悪友。陰でコッソリ二人っきりで飲み屋に行ったりしてる