※ みーたんの車両基地イベントがあったらしい ※
※ そんな日のみーたんとなんちゃんの話 ※
※ 空振りのギャグテイスト ※
「僕行かないよ」
目黒の休憩室で顔を合わせた南北は、飴を齧りながらふてくされた顔で言った
「…は?」
「行かないったら行かない」
「いや、お前、一昨日まではノリノリだったじゃねぇか」
「うっさい、黙れ」
そう言って、拗ねた顔で口内の飴を噛み砕いた
二人の話題は、数日後に迫った都営の車両基地イベントだ
今回は三田の車両基地で行われることとなった
当然、路線を共有する南北にも参加の声をかけており、返答も上々だったのだが…
「行かない、絶ッ対に僕は行かない!」
唐突にコレである
気分屋のお子様に、三田のさほど長くもない堪忍袋の緒が震える
「て・め・ぇなぁ…っ」
咥えたタバコを噛みちぎらんばかりの顔で睨みつけるが南北は全くひるむこともない
「大体さぁ、高島平の車両基地は僕使ってないもん
別に行く必要ないじゃん」
「こういうのは、路線繋がってりゃ参加するもんなんだ!
お前ンとこの第五次車両見たがってる客も多いんだよ!」
「12月の綾瀬で見ればいいよ
むしろ、そんなに見たけりゃ2時間ホームで待てば?」
「何様だ、お前っ!」
「都営のおよそ2.5倍の収益を誇る東京メトロ様だよ」
「てめぇ自身は東京地下鉄道堂々最下位だろうがっ!!」
ギリギリと互いに顔を詰め寄せて睨みあう
「どぉーせ、東西に何か言われたとか言ってくれなかったとかそんな話なんだろっ!」
「ぐっ」
三田の切り返しに、南北は息を詰まらせる
完全に図星だったようだ
「…今度はなんだよ…。 話によっちゃ、全力で殴るぞ…」
流石に9年間の付き合いともなればいい加減に慣れたもので、原因がわかれば怒りも呆れで抜けて、ただ脱力した溜息を零す
「…東西が…、東西が悪いんだ…!」
南北は目を吊り上げ、机を叩くと、軽く泣きそうな眼で語った
昨日の事である
「今度、三田の家に泊まりに行って来るね」
「相手方さんに迷惑かけんなよ」
東西はそう言って、南北を送り出した
「…ってわけさ」
「…」
「うん」
「………」
「以上です」
「それだけかよっ!!」
思わず三田は南北の頭を殴りつけた
「殴ったね! 日比谷には殴られたこと無いのに!」
「日比谷以外には殴られたことがあるのか!?」
「あるよ!」
「なぜ、胸を張る?!」
「ちなみに僕は、東西以外を殴ったことはない!」
「お前は本当に恋人なのか!?」
「恋人だとも!
そして、こんな可愛い恋人が浮気するっていうのに、あのB系、二つ返事で送り出したんだよっ! バッカじゃないの!」
「可愛くねぇしっ、浮気じゃねぇしっ、つか泊める気ねぇし!」
「みーたんみたいな野獣のウチに泊まったら、いたいけな僕の貞操が危ないとか思わないわけ!?」
「だれが野獣だっ! 例えオレが冬眠から目覚めたクマであっても、お前だけは襲わんぞ!」
「やめて、近づかないでっ! 加齢臭がうつる!」
「前々から言いたかったが、てめぇがオッサン呼ばわりしてるオレより、東西の方が年上なんだよ、ク・ソ・ガ・キーっ!!」
大騒ぎの末…、結局、南北はイベントには不参加と言う事になった
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文章は筆者の妄想であり、現実の事情とは異なります
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